大型研究拠点を整備へ 岐阜大と名大運営統合協議

 

運営法人の統合を目指している岐阜大(岐阜市柳戸)と名古屋大(名古屋市)は21日、両大学による大型研究拠点の整備や教育の相互補完などについて合意した。これまでは、共同で設立する運営法人「東海国立大学機構(仮称)」の傘下に入ることによる経営の効率化などを強調してきたが、新たにまとめた「統合のメリット」で研究分野での連携や共通科目の実施にも踏み込んだ。


 統合に向け、両大の幹部が出席する検討協議会の2回目の会合が岐阜市吉野町の岐阜大サテライトキャンパスで開かれ、統合メリットとして▽研究力の強化▽教育力の強化▽国際化の推進▽社会連携の推進-の4項目を挙げた。研究費や知的財産の管理、産学連携を共同で行ったり、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)に関する教育を共通化したりする具体的な構想も明らかにした。


 会合後、名古屋大の松尾清一学長は「効率化だけでなく、大学の機能を広げる。両大学がこの地域を変える中核的な力になる」、岐阜大の森脇久隆学長は「研究力、教育力を強化し、大学のブランド価値を上げていく」と語った。


 今後も月1回程度、会合を開き、年内の最終合意を目指す。2020年度に新運営法人を設立したい考え。松尾学長は「両大学の構成員に協議内容を理解してもらった上で、次へと進む確実なステップを取りたい」と強調した。北陸地域の国立大にも検討内容を情報提供し、新運営法人への参加を呼び掛ける。


 大学の運営法人の統合は全国初のケース。法改正が必要となるため、近く国への提言をまとめる。

 

岐阜新聞社

2018.5.22